「完全成果報酬」「初期費用0円」と書かれた提案書を前にして、どこか落ち着かない気持ちになることがある。条件は良いはずなのに、何を確かめればよいのかがわからない。質問しようとしても、料率の話に戻ってしまう。

この落ち着かなさの正体は、提案書が嘘をついていることではない。書かれていない範囲があることである。「完全成果報酬」という言葉が省いているのは、料率ではなく“無料の範囲”である。無料と有料の境目がどこに引かれているのかが書かれていないため、支払総額を見積もれない。

当社は広告運用を含むWebマーケティングを成果報酬型で提供しており、同じ言葉を使う立場にある。だからこそ、この記事では自社の条件を売り込むのではなく、成果報酬型の提案を受けた側が“無料の範囲”をどう確かめるかを、一般的な整理として扱う。扱うのは、広告媒体費・初期費用・成果の定義という三つの費目と、契約前に確かめる6つの質問である。

この記事の要点

  • 「完全成果報酬」が隠しやすいのは料率ではなく範囲である。広告媒体費・初期費用と制作費・成果の定義の三か所で、「完全」は打ち消される。
  • 成果報酬が高いか安いかは料率では決まらない。成果地点をどこに置くかが、報酬の発生件数と総額を決める。
  • BtoBの提案書は景品表示法の不当表示規制では守られない。一般消費者という要件があるため、確認は自社の手続きとして持つしかない。

「完全成果報酬」は、料率ではなく“無料の範囲”を語っていない

成果報酬型の提案を比べるとき、多くの会社が料率の数字から見る。しかし料率は、無料の範囲が決まってはじめて意味を持つ数字である。提案書は広告であり、強調表示と打消し表示という同じ構造を持っている。

「完全成果報酬」という強調表示の内側 無料に見える部分と、別に支払う部分は、契約書の中で分かれている 提案書の表側|強調表示 「完全成果報酬」 「初期費用は0円」 成果が出なければ 費用は発生しない リスクは受託側が すべて引き受ける 契約の内側|打ち消される事項 広告媒体費は 広告主が媒体に支払う 初期作業・制作費は 別の費目になりうる 「成果」の定義が 報酬の総額を決める 「完全」が指す範囲が書かれていない 支払総額が見積もれない 成果の定義が後から動く
図1|「完全成果報酬」という強調表示の裏側では、広告媒体費・初期費用と制作費・成果の定義の三か所で「完全」が打ち消される。

「完全」は、三つの費目のどこかで打ち消される

成果報酬型の提案で「完全」が崩れる場所は、経験上おおむね三つに絞られる。広告媒体費、初期費用と制作費、そして成果の定義である。いずれも提案書の表側では語られず、契約書や見積書の但し書きに現れる。

  • 広告媒体費。GoogleやYahoo!などの媒体に支払う広告費そのもの。運用報酬とは別の費目であり、料金形態を変えても発生し続ける。
  • 初期費用と制作費。アカウント設計、計測の実装、ランディングページの制作。「初期費用0円」が指すのがどの作業までなのかで、負担は大きく変わる。
  • 成果の定義。何をもって成果と呼ぶか。ここが決まっていなければ、報酬が何件発生するのかを誰も予測できない。

この三つは、どれも「完全成果報酬ではない」という話ではない。発生する費用が別の費目として存在しているだけである。問題は、その存在が提案を受ける側に伝わる形で書かれていないことにある。

強調表示と打消し表示という読み方を、提案書に当てる

消費者庁は、広告の読み方について有用な整理を持っている。断定的表現や目立つ表現を使って品質・価格その他の取引条件を訴求する表示を強調表示と呼び、強調表示から一般消費者が通常は予期できない事項であって、商品やサービスを選ぶときに重要な事項の表示を打消し表示と呼ぶ(「打消し表示に関する実態調査報告書」平成29年7月)。

同じ報告書は、打消し表示が実際にはほとんど読まれていないことを示している。回答1,000人へのWebアンケートで、打消し表示を「見ていない・読んでいない」と答えた割合は、新聞広告で58.9%、動画広告で67.4%、PCのWeb広告で同一画面にある場合は57.1%だった。スマートフォンのWeb広告では同一画面でも70.0%、スクロールが必要な場合は75.1%に達している。

この数字が示しているのは、読み手の怠慢ではない。配置と大きさによって、読まれない注記が成立してしまうという構造である。消費者庁は留意点として、文字の大きさ、強調表示とのバランス、配置箇所の近接性、背景との区別を挙げ、PC版Web広告では強調表示から1スクロール以上離れた場所にある場合に問題となりえるとしている。

成果報酬の提案に多いのは「追加料金型」と「別条件型」である

消費者庁の同じ留意点は、打消し表示の内容を四つの類型に分けている。例外型、別条件型、追加料金型、試験条件型である。このうち成果報酬型の提案書で起きやすいのは、前の二つではなく後ろの二つに近い。

類型どういう形か成果報酬の提案での現れ方
追加料金型「全て込み」と強調しながら、追加料金が発生する旨が理解できない形で記載されている「完全成果報酬」と強調しつつ、広告媒体費や制作費が別途であることが但し書きにある
別条件型料金が強調される一方、適用条件や解約条件が理解できない形で記載されている料率は明示されるが、成果の定義・最低契約期間・中途解約の扱いが読み取れない

この整理は消費者向けの広告を対象にしたものであり、事業者間の提案書にそのまま適用されるわけではない。ただし読み手が重要な条件を読み落とす構造は、相手が事業者であっても変わらない。提案を受ける側としては、品質の基準として借りる価値がある。

広告媒体費は、料金形態を変えても消えない

成果報酬型を検討するとき、最初に確かめるべきは料率ではなく、広告費を誰が誰に払うのかである。広告媒体費は料金形態を変えても消えず、支払う相手が変わるだけである。

広告アカウントの支払い主体は、原則として広告主である

Google広告のヘルプは、広告費を広告主がGoogle広告に支払うものとして説明している。後払いでは、指定のメインのお支払い方法に自動で請求され、原則として毎月1日、またはお支払い基準額に達した時点で請求される。日本は前払いが利用できない国に含まれる。

つまり、広告を出す以上、媒体への支払いは発生する。ここに成果報酬という言葉が入る余地はない。成果報酬が指しているのは運用の報酬であり、媒体費はその外側にある別の支出である。

あわせて確かめたいのが、アカウントの権限である。Google広告でお支払い設定を変更できるのは、お支払いプロファイルの「管理者」または「お支払いプロファイルの編集」権限、もしくはGoogle広告アカウントの「管理者」または「お支払いに関するアクセス」権限を持つユーザーだけである。誰がこの権限を持つかは、広告費の管理を誰が握るかとほぼ同じ意味になる。

代理店経由の請求は立替であり、費用が消えたわけではない

媒体費を代理店がまとめて請求する形もある。Google広告では「毎月の請求書発行」という支払い方法があり、利用には会社登録から1年以上、アカウント保有6か月以上、過去12か月で5,000ドル以上の支払いが3か月以上あることなどの要件がある。要件が設けられているのは、後払いの与信にあたる仕組みだからである。

この形を取ると、請求書の上では媒体費と運用報酬がひとつの金額に見えることがある。しかし立替は支出の消滅ではない。請求の内訳として、媒体費と報酬が分けて書かれているかどうかが、そのまま透明性の水準になる。

媒体費を誰が握るかは、乗り換えのしやすさも決める

広告アカウントの名義と支払い権限が受託側にある場合、運用を引き継ぐときに過去の実績データごと切り替えが必要になることがある。これは成果報酬型に限らない論点だが、「無料」を強調する提案では見落とされやすい。

代理店を変えるべきかどうかの判断材料は、広告代理店を変えるべき5つのサインで詳しく扱っている。依頼範囲そのものの決め方は、BtoB企業のWeb広告運用代行ガイドを参照されたい。

「初期費用0円」は、何が0円なのかを分けて読む

初期費用の有無は、提案書で最も目立つ数字のひとつである。ただし0円という表示は、金額の情報であって範囲の情報ではない。「初期費用0円」の対価は、多くの場合、金額ではなく期間で支払われる。

初期費用・初期作業・制作費は、別の費目である

運用開始前に発生する作業は、ひとまとめにできない。アカウントの新規開設、キーワードと広告文の設計、コンバージョン計測の実装、ランディングページの制作。これらは工数も担い手も違うため、見積書でどこまでが0円に含まれるかを分けて確かめる必要がある。

とくにランディングページの制作は、金額が大きくなりやすい。受け皿の改善まで依頼範囲に含める場合、制作費が別途かかることは珍しくない。問い合わせフォームの項目設計まで踏み込むなら、なおさらである。フォーム設計そのものについては、問い合わせフォームが、受注に近い相談を弾いているで扱っている。

なお、初期費用や運用手数料の相場レンジについては、信頼できる一次情報での裏取りができていないため、本記事では金額を示さない。各社の提案書に書かれた金額を、自社の条件として並べて比べることを勧める。

0円の対価は、期間として請求されることがある

初期費用を受け取らない場合、受託側はその分の工数を回収する必要がある。回収の手段は、運用報酬か契約期間のどちらかになる。したがって初期費用0円の提案では、最低契約期間と中途解約の条件が実質的な価格の一部になる。

確かめるべきは三点である。最低契約期間が何か月か、期間内に解約する場合の扱いはどうなるか、そして契約終了後にアカウントや制作物が自社に残るかどうか。三点目は見落とされやすいが、次の代理店に引き継げるかどうかを左右する。

「成果」の定義が決まっていなければ、安いかどうかは判定できない

成果報酬型の比較が料率の話に収束してしまうのは、分母が揃っていないからである。成果報酬が高いか安いかは、料率ではなく成果の定義で決まる。

成果地点を浅く置くほど、報酬は発生しやすくなる

成果地点は、クリックから受注まで連続した一本の線の上にある。どこに点を打つかで、報酬が発生する件数は大きく変わる。成果地点を浅く置けば、報酬の発生件数は増える。

成果地点報酬の発生しやすさ受注・粗利との距離
クリック非常に高い遠い。受注の見込みは読めない
問い合わせ・資料請求高いやや遠い。質のばらつきが大きい
商談化中程度近い。営業側の基準が必要になる
受注・粗利低い最も近い。利害が揃う

同じ料率でも、成果地点が「問い合わせ」か「受注」かで支払総額はまるで違う。逆に、料率が高く見えても成果地点が受注にあるなら、受注が出ない月の支払いは発生しない。料率と成果地点は、必ず対で見る必要がある。

成果の定義は、報酬の総額を決める変数である

成果地点が決まったら、次はその定義の精度である。問い合わせを成果とする場合、営業時間外の自動返信、既存顧客からの連絡、採用応募、営業目的の連絡をどう扱うかで件数は変わる。商談化を成果とする場合は、何をもって商談とみなすかを決めなければならない。

この定義の作業は、料金交渉ではなく設計である。成果地点の決め方そのものは成果報酬の“成果地点”の決め方、受注に近い場所へ置く理由は成果地点は“受注に近い場所”に置くで扱っている。

定義が動く余地を、契約書の中で閉じる

定義を決めても、運用の途中で解釈が動くことがある。動かないようにするには、除外する条件を列挙し、集計の方法と集計する主体を書面に残すしかない。どの計測ツールの数値を根拠にするか、締めの日はいつか、争いが生じたときはどちらのデータを優先するか。

CVの数だけが増えて売上が動かない状態は、この定義の甘さから生まれる。その構造は広告のCVは増えたのに、売上が増えないで詳しく扱っている。

成果報酬という仕組み自体に、表示を過激にする力が働く

成果報酬型を疑うべきだという話ではない。ただ、仕組みに内在する力は知っておいたほうがよい。報酬を成果に連動させる仕組みは、表示を過激にする力を内側に持つ。

消費者庁の報告書が指摘した、成果報酬のインセンティブ

消費者庁の「アフィリエイト広告等に関する検討会 報告書」(2022年2月15日公表)は、成果報酬型の広告について構造的な指摘をしている。広告主ではない者が表示物を作成・掲載するため広告主の管理が行き届きにくく、成果報酬を求めて虚偽誇大広告を行うインセンティブが働きやすいという指摘である。

さらに報告書は、問題のある表示による広告の収益性が、適切な表示による広告の収益性を上回っていると述べている。その収益を元手に露出の多い広告枠を買うため、消費者がよく目にする広告に過激な文言が並ぶ傾向が生じるとしている。成果の多い者には特別な報酬単価が設定されることもあり、その差は1.2倍程度から数倍、10倍と幅があるとされる。

報告書はアフィリエイト広告を対象にしたものであり、広告運用の代行と同じ構造ではない。ただし報酬が成果の件数に連動するという点は共通している。件数で報われる設計は、件数を増やす方向に表現と運用を引っ張る。

同じ力は、BtoBの提案書にも働く

受託側が成果報酬で受けると決めた時点で、受託側には「成果が発生しやすい定義」を選ぶ動機が生まれる。これは個々の会社の誠実さの問題ではなく、報酬設計から出てくる力である。だから提案を受ける側は、定義を受託側に委ねないほうがよい。

報告書が触れている対応策のひとつは、成果承認基準や禁止事項に反した場合に成果報酬を取り消せる条件を設定することである。発注側が持てる歯止めも、同じ発想になる。成果として認めない条件をあらかじめ列挙しておくことである。

BtoBの提案書は、景品表示法では守られない

ここが、この記事でいちばん伝えたい点である。BtoBの提案書は、景品表示法の不当表示規制では守られない。守られていると思って読むと、確認の手を抜いてしまう。

不当表示の規制は「一般消費者」を要件にしている

景品表示法の不当表示には二つの柱がある。優良誤認表示(第5条第1号)は、商品・サービスの内容について、実際のものより著しく優れていると一般消費者に示す表示である。有利誤認表示(第5条第2号)は、価格その他の取引条件について、実際より取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示である。

注目すべきは、どちらも「一般消費者に示す」「一般消費者に誤認される」という形で書かれていることである。代理店や制作会社が事業者として受け取る提案書は、一般消費者に向けた表示ではない。したがって、消費者向け広告に働く抑止力が、同じようには働かない。

なお、効果や性能の表示については不実証広告規制がある。合理的な根拠を示す資料の提出を求め、提出がない場合や合理的な根拠と認められない場合は、措置命令との関係で不当表示とみなされる(第7条第2項。課徴金納付命令との関係では第8条第3項により推定される)。これも消費者向けの表示を前提にした仕組みである。

事業者間では、不正競争防止法と契約書の読み方に委ねられる

では事業者間の表示が完全に放置されているわけではない。不正競争防止法は、第1条で「事業者間の公正な競争及びこれに関する国際約束の的確な実施を確保するため」と目的を定めている。誤認惹起行為は第2条第1項第20号に置かれ、商品・サービスの原産地、品質等の誤認惹起表示として、民事措置と刑事措置の両方の対象になるとされている。

ただし、これは争いになってから使う道具である。提案を受ける段階で頼れるものではない。事業者間の表示は、不正競争防止法と契約書の読み方に委ねられる。前者は事後の救済であり、前に置けるのは後者だけである。

本記事は一般的な情報の整理であり、個別の契約についての法的助言ではない。当社は弁護士ではないため、具体的な契約文言の判断や紛争の見通しについては、弁護士に相談することを勧める。

だから、確認を自社の手続きとして持つ

法律が守ってくれない領域では、確認の質が会社によって大きく変わる。担当者が気づくかどうかに委ねれば、提案を受ける時期や相手によって結果が揺れる。

有効なのは、確かめる項目を自社の手続きとして固定することである。誰が提案を受けても同じ質問を出せる状態にしておけば、相手の説明のうまさに左右されない。比較の軸を自社で持つことの効き方は、相見積もりで負けるのは、価格ではなく“比較の軸”であるで、売り手の側から扱っている。

契約前に確かめる6つの質問

ここまでの整理を、提案を受けた場で出せる質問にまとめる。確認を担当者の勘ではなく、自社の手続きとして持つことが唯一の防御である。順番にも意味がある。費目を分けてから、定義を固め、最後に総額で比べる。

「無料」の範囲を確かめる3つの順番 料率を比べる前に、この順で費目と定義を固定する 1 出口を分ける 誰が誰に払うのかを 費目ごとに分ける 媒体費・制作費・ 運用報酬は別の費目 2 定義を固定する 何をもって成果と 呼ぶのかを書面にする 成果地点が浅いほど 報酬は発生しやすい 3 総額で比べる 期間と上限を置いて 支払総額を試算する 料率ではなく 総額と期間で比べる 3つを書面で固定する = 「無料」の範囲が読める
図2|料率を比べる前に、費目を分け、成果の定義を固定し、期間と上限を置いて総額で比べる。

質問1〜3|お金の出口を分ける

  1. 広告媒体費は誰が誰に支払うのか。広告アカウントの名義、支払い方法、支払い権限を持つのは誰か。請求書で媒体費と運用報酬は分けて記載されるか。
  2. 「初期費用0円」に含まれる作業はどこまでか。アカウント設計、計測の実装、広告文の制作、ランディングページの制作のうち、別途費用になるものはどれか。
  3. 成果報酬のほかに発生する費用はあるか。ツールの利用料、レポートの作成費、媒体費以外の外部費用を含め、月額で発生しうる項目をすべて挙げてもらう。

この三つは、金額ではなく費目を聞く質問である。金額は後から比べられるが、費目の存在を知らなければ比べることすらできない。

質問4〜6|成果の定義と、総額の見積りを出す

  1. 成果とみなすのは、どの時点か。クリック、問い合わせ、商談化、受注のどれか。その定義を書面のどこに書くか。
  2. 成果として認めない条件は何か。既存顧客からの連絡、採用応募、営業目的の連絡、重複、キャンセル、不良債権化した受注の扱いを列挙してもらう。
  3. 最低契約期間と、終了時の扱いはどうなるか。期間は何か月か、期間内の解約はどう扱うか、終了後にアカウント・計測設定・制作物は自社に残るか。

六つの答えが揃えば、支払総額の幅を自分で試算できる。試算ができれば、料率の高低は副次的な論点になる。そこまで来てはじめて、他社の提案と同じ土俵で比べられる。

まとめ|確かめるのは「無料かどうか」ではなく「どこまでが無料か」

「完全成果報酬」という言葉は、料率を語っているように見えて、範囲を語っていない。広告媒体費は料金形態を変えても消えず、初期費用0円の対価は期間として請求されることがあり、成果の定義は報酬の総額を決める。そして事業者間の提案書には、消費者向け広告に働く法の抑止力が同じようには働かない。

だからこそ、確認は自社の側に置くしかない。確かめるべきは「無料かどうか」ではなく、「どこまでが無料か」である。費目を分け、定義を固め、総額で比べる。この順番さえ守れば、どの料金形態を選んでも判断を誤りにくくなる。

いま受けている提案の条件をどう読めばよいか迷っている場合は、無料診断で一緒に読み解くこともできる。料金形態そのものの比較はリスティング広告の運用代行は成果報酬型を選ぶべきか、成果報酬型の全体像は成果報酬型Webマーケティングとはで扱っている。

よくある質問

Q. 「完全成果報酬」と書いてあれば、広告費も先方が負担するという意味ではないのか。

そう読める書き方がされていることはあるが、広告媒体費は広告主が媒体に支払う費用である。Google広告のヘルプも、広告費は広告主がGoogle広告に支払うものとして説明している。受託側が立て替える形はありうるが、その場合も支出が消えるわけではない。請求書で媒体費と運用報酬が分けて記載されるかを確かめるのが早い。

Q. 成果報酬型は固定報酬型より得なのか。

料率だけでは判定できない。成果地点をどこに置くかで報酬の発生件数が変わるため、同じ料率でも支払総額は大きく変わる。判断するには、成果の定義を固定したうえで、想定される件数と期間を置いて総額を試算する必要がある。料金形態ごとの向き不向きは、料金形態の比較記事で扱っている。

Q. 事業者間の取引でも景品表示法は使えないのか。

景品表示法の不当表示規制は「一般消費者に示す」「一般消費者に誤認される」という要件で定められているため、事業者向けの提案書に同じようには働かない。事業者間の誤認を招く表示については不正競争防止法の誤認惹起行為(第2条第1項第20号)があるが、これは争いになってから使う道具である。個別の判断は弁護士に相談されたい。

Q. 相場がわからないと、提案が高いのか安いのか判断できないのではないか。

相場は目安にはなるが、成果報酬型では分母が揃わないため比較の軸になりにくい。むしろ、費目を分けて総額の幅を試算するほうが判断に直結する。なお運用手数料や初期費用の相場レンジについては、信頼できる一次情報での裏取りができていないため、本記事では金額を示していない。

Q. 自社が「完全成果報酬」と打ち出す場合は、何に注意すべきか。

対象が一般消費者であれば、有利誤認表示(景品表示法 第5条第2号)に当たらないかという観点が直接関わる。対象が事業者であっても、強調表示と打消し表示の留意点は品質の基準として使える。文字の大きさ、強調表示とのバランス、配置の近接性を確かめ、別途費用が発生する旨を読み落とされない形で書くことが出発点になる。

出典:消費者庁「表示規制の概要」/消費者庁「打消し表示に関する実態調査報告書」(平成29年7月)/消費者庁「打消し表示に関する表示方法及び表示内容に関する留意点」/消費者庁「アフィリエイト広告等に関する検討会 報告書」(2022年2月15日)/経済産業省「不正競争防止法の概要」/特許庁「知的財産権制度入門」/Google広告ヘルプ「Google 広告のお支払い設定について」