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「問い合わせは来るのに、なぜ受注できないのか|広告代理店ビジネスの構造と打破する3ステップ」

2026年9月7日

問い合わせは増えても受注につながらない構造を示すイメージ図
目次
  1. 「CVは増えたのに、受注は増えない」の正体
  2. 答えは、広告代理店ビジネスの”構造”にある
  3. “最後の一歩”の責任は、発注側に押し戻される
  4. 構造を打ち破る、3つのステップ
  5. なぜLP・広告が受注に繋がらないのか
  6. スリーハンドレッドは、この構造ごと解きます
  7. 数を増やす前に、”受注からの逆算”を取り戻す
  8. よくある質問

「毎月、問い合わせは着実に増えている。CVの数字も右肩上がり。それなのに、受注は思うように伸びない——」

広告に投資している経営者・マーケティング責任者の方から、最も多く聞く違和感がこれである。数字の上ではうまくいっているように見えるのに、事業のトップライン(受注)が動かない。この現象は、「もっと頑張れば解決する」という気合いの問題ではない。CVは増えるのに受注は増えない——これは、広告代理店ビジネスの”構造”から生まれる、いわば必然である。

私たちスリーハンドレッドは、経営コンサルティングを起点にこの構造そのものを解く立場から、この問題を分解し、抜け出すための3つのステップを解説する。

「CVは増えたのに、受注は増えない」の正体

数字の上ではうまくいっているように見える。表示回数、クリック、CVR、問い合わせ件数。どれも改善している。ところが商談化・受注のフェーズに入った瞬間、様相が変わる。「問い合わせは来るが確度が低い」「話を聞くと、そもそも自社が探している顧客ではなかった」——。

これは珍しい話ではない。BtoB領域の調査では、獲得したリードを”受注への貢献”というROIで評価できている企業は約3割にとどまり、7割超が「やりたいが出来ていない」と回答している。さらに、マーケティングが生み出すリードは、営業が本来必要とするリード全体の約3割にすぎないという調査結果もある。

「CVの数」と「受注の質」は、最初から地続きではない。この前提を置かずに広告予算を増やし続けると、確度の低い問い合わせだけが積み上がり、現場の商談工数は増える一方で成約率は下がっていく。これは担当者個人の力量の問題ではなく、CVという指標そのものが持つ限界である。CVは「行動が起きたか」を測る指標であって、「その行動が事業にとって価値ある行動だったか」までは測っていない。この区別を経営層・マーケティング責任者・広告運用担当者の三者が共有できていないことが、多くの現場で最初のつまずきになっている。

答えは、広告代理店ビジネスの”構造”にある

この断絶は、誰かがサボっているから起きるのではない。発注側と代理店側、双方の構造から生まれる。

発注側で起きている「3つの未分解」は次の通りである。第一に、ビジネス構造を詰めきれていない。誰に何を売って、どこで利益が出るのか。事業の勝ち筋が言語化されないまま広告に着手している。第二に、エンド顧客のニーズ・課題を”問い合わせ”の粒度まで分解できていない。「なんとなくのターゲット像」で止まり、どの感情・どの状況で問い合わせが起きるかまで下りていない。第三に、「なぜ他社ではなく自社に依頼するのか」を明確化できていない。選ばれる理由が曖昧なため、訴求が”誰にでも当てはまる=誰の心にも刺さらない”ものになる。

この状態で広告を回すと、確度の低いCVが積み上がる。数は増える。けれど、受注につながる相手ではない。

一方、代理店側には「構造的インセンティブ」が働いている。これは代理店を責めたい話ではない。悪意ではなく、ビジネスモデルがそうさせる——という話である。広告代理店の粗利益率は20%前後(電通17.4%/博報堂DYHD22.5%)とされ、製造業30〜40%・飲食70%前後と比べても低く、利益を伸ばすには規模を広げるしかない。必然的に「1社に集中しづらい」構造になる。担当者は複数クライアントの運用に追われ、”広告の最適化”に集中する。エンド顧客のビジネスや受注の現場までは、踏み込みにくい。競合事例を基に模倣する施策が中心になりやすく、”なぜ自社が選ばれるのか”を起点にした戦略の根拠が弱くなる。運用型広告の手数料は広告費の約20%が商慣習であり、売上が「広告費=予算」に連動するため、社内目標も予算拡大=CV増に置かれやすい。営業利益率が3.8%まで下がった例もあり、事業全体を理解する余力が構造的に生まれにくい。

“最後の一歩”の責任は、発注側に押し戻される

LP改善の定石でも「LPのゴールは”購入”ではなく次のステップへの移行」と語られる。裏を返せば、代理店が引き受けるのは「移行(=CV)」まで。そこから受注までの”最後の一歩”は、いつのまにか発注側の責務になっている。

代理店は「CVは増やしました。あとは御社の商談力です」と言い、発注側は「CVは増えたが、受注が増えない。質が悪いのでは?」と感じる。このズレの正体は、部署の問題でも能力の問題でもなく、”情報と設計の断絶”である。だからこそこの構造は、広告代理店単体では解消しづらい。この断絶を放置したまま予算だけを増やすと、現場の疲弊とコストの積み上がりが同時に進む。まず取り組むべきは、CVの量を追う前に、”受注から逆算した設計”そのものを取り戻すことである。

構造を打ち破る、3つのステップ

では、どうするか。CVの数を追う前に、”受注から逆算した設計”を取り戻す。順番が重要である。

第一に、顧客理解である。エンド顧客のニーズ・課題を”感情”まで深掘る。表面的な「〇〇したい」で止めず、どんな状況で、どんな感情が動き、何を”片付けたくて”問い合わせるのかを本質的に理解する。クリステンセンの「ジョブ理論」——顧客は製品を”買う”のではなく、ある状況で成し遂げたい”進歩”のために”雇う”——に通じる考え方である。

第二に、強みの言語化である。「なぜ今まで選ばれてきたか」を言語化する。競合との差別化から始めるのではなく、まず”なぜこれまで依頼・受注されてきたのか”を言語化することが先である。既存顧客が自社を”雇った”理由こそが、他社では代替できない強みの源泉である。

第三に、訴求設計である。ニーズ×強みを”どう見せるか”を設計する。捉えた感情・状況の上に強みを”どう乗せれば問い合わせボタンに手が伸びるか”を設計する。訴求設計とは、”心を揺さぶる順番と言葉”の設計である。ここが決まって初めて、CVは”受注につながるCV”に変わる。

ある広告代理店・制作会社の例(詳細は匿名化して紹介する)では、問い合わせ数を前年比で1.4倍に伸ばしながら、受注件数はほぼ横ばいという状態が続いていた。原因を分解すると、エンド顧客が実際に悩んでいたのは「発注先の探し方が分からない」ことではなく、「過去に発注して失敗した経験があり、次は失敗したくない」という感情だった。ところがLPも広告も「実績数・対応スピード」という機能訴求に終始しており、この感情には一切触れていなかった。顧客理解を”感情”の層までやり直し、強みの言語化を「過去の失敗要因を踏まえた進行管理体制」に絞り込んだうえで、LPの冒頭を機能紹介からエピソード型の訴求に置き換えたところ、CV数自体は微減したものの、商談化率が改善し、結果として受注件数は増加した。この事例が示すのは、CVの”数”を追うことと、受注につながる”質”を設計することは、しばしばトレードオフになり得るという点である。数字だけを見て意思決定すると、この種の変化を”改善”ではなく”悪化”と誤って評価してしまうリスクがある。

なぜLP・広告が受注に繋がらないのか

ここまでの3ステップ(=受注から逆算した設計)が、実際のLPや広告に紐づいていない。これが最後の落とし穴である。

典型的には、広告のメッセージとLPの訴求がズレている(メッセージマッチの欠如)。LPが「機能・スペック」を語り、”ジョブ”や感情を語っていない。フォームや導線が”最後の一歩”を邪魔している。こうしたテクニックの改善で、CVRは確かに動く(フォーム項目を10→3に絞ってCVRが1.2%→3.8%へ改善した事例もある)。ただしそれは、あくまで「CVの”数”」が増えるという話である。受注につながる相手でなければ、CVが増えても受注は増えない。

LPの平均CVRの目安は2〜3%とされるが、本当に問うべきは、その数字を動かす前に「そのLPは、受注につながる相手の心を動かす設計になっているか」である。設計がないままA/Bテストを回しても、刺さらない訴求の中で局所最適を繰り返すだけになりがちである。

改善前の状態は、受注から逆算した設計があってもLPが機能・スペック中心で、広告の訴求もバラバラという分断が起きている。設計とLP・広告が分断され、CVは出ても受注の相手に届かない。改善後は、顧客理解×強み×訴求設計がLP(感情とジョブに接続)・広告(設計と一貫)まで一本に接続され、CVが”受注につながるCV”へと変わる。

スリーハンドレッドは、この構造ごと解きます

3ステップとLP・広告の接続——これを、広告運用だけの立場ではなく経営コンサルティングを起点に一気通貫で担うのが私たちの役割である。

経営目線の戦略立案では、経営コンサルティング×マーケティングで、事業戦略から施策へ落とし込む。顧客理解と強みの言語化の”深さ”を担保する。課題の徹底洗い出しと、自社の強みの言語化では、「なぜ貴社に依頼するのか」を構造化し、受注に繋がる問い合わせを増やす。LP制作・広告運用まで一気通貫で実行することで、設計とLP・広告の”非接続”を解消し、最後の落とし穴を残さない。そして完全成果報酬型という仕組みで、利益貢献に紐づいた分だけ報酬をいただき、受注そのものにコミットする伴走パートナーであり続ける。

進め方としては、まず無料診断で現状のCVから受注までのプロセスを棚卸しし、顧客理解・強みの言語化・訴求設計の3点がどこまで出来ていて、どこが未分解かを可視化する。次に、経営者・営業責任者への短時間のヒアリングを通じて、感情の層まで顧客理解を深掘りし、既存の受注実績から”選ばれてきた理由”を抽出する。最後に、その内容をLP・広告クリエイティブ・営業トークに一貫して反映し、CVの”数”ではなく”受注につながる質”を継続的に検証していく。この一連のプロセスを、単発のコンサルティングで終わらせず、成果が出るところまで伴走する点が、一般的な広告代理店との違いである。

数を増やす前に、”受注からの逆算”を取り戻す

問い合わせが受注にならないのは、努力ではなく”構造”の問題である。代理店は薄利多売×手数料モデルゆえにCV最適化に寄り、発注側は”選ばれる理由”を分解しきれていない。だからCV→受注の最後の一歩が宙に浮く。

打破の鍵は、感情まで踏み込む顧客理解、”選ばれてきた理由”=強みの言語化、その2つをどう見せるかの訴求設計、という3つである。そして、それをLP・広告に接続すること。この順番で”受注から逆算した設計”を取り戻すことが、遠回りに見えて一番の近道である。

よくある質問

Q. CVは増えているのに受注が増えません。広告運用が下手なのでしょうか?
必ずしもそうとは限らない。広告運用の巧拙以前に、CVの”質”を定義する設計(顧客理解・強みの言語化・訴求設計)が抜けている可能性がある。まずは運用改善よりも、この設計の有無を確認することをお勧めする。

Q. これは広告代理店が悪い、ということですか?
そうではない。代理店のビジネスモデル(薄利多売・手数料型)が構造的にCV最適化へ寄りやすいという話であり、個々の担当者の能力や誠実さの問題ではない。発注側も”選ばれる理由”を分解できていないケースが多く、双方の構造が組み合わさって起きる現象である。

Q. まず何から始めればよいですか?
広告予算やLPをいじる前に、エンド顧客のニーズ・課題を感情まで深掘りし、自社が”なぜこれまで選ばれてきたか”を言語化することから始めるとよい。この2つが言語化できて初めて、訴求設計・LP改善が効果を持つ。

Q. LPをA/Bテストで改善すれば解決しますか?
CVRという数字は動く可能性がある。ただし、受注から逆算した設計がないままのA/Bテストは、”刺さらない訴求の中での局所最適”になりがちである。設計を先に固めたうえでのテストを推奨する。

Q. 無料診断では何がわかりますか?
現状のCVから受注までのどこで”最後の一歩”が宙に浮いているか、顧客理解・強みの言語化・訴求設計のどこが未分解かを可視化する。既に出来ている部分と、足りない部分を切り分けたうえで、次の打ち手を提案する。

Q. 完全成果報酬型の”成果”はどのように定義されますか?
案件ごとに、受注件数や利益貢献額など、事前にクライアントと合意した指標を成果として定義する。CV数のような中間指標ではなく、事業のトップラインに近い指標を基準にすることで、”CVを増やして終わり”にならない設計を担保している。

出典:電通・博報堂DYHD各社決算資料/Shirofune「インハウスマーケティングラボ」/オーリーズ「BtoBマーケティングにおけるリード評価の実態調査」(2023)/C. クリステンセン『ジョブ理論』、T. レビット『マーケティング発想法』ほか。

スリーハンドレッド代表 鈴木裕哉

鈴木 裕哉

スリーハンドレッド 代表 / 完全成果報酬型Webマーケティング支援

大手コンサルティングファームで事業戦略・新規事業開発・マーケティング変革に従事後、2019年にスリーハンドレッドを創業。「分析して終わり」にせず、成果が出るところまで伴走することを重視している。